競走馬の能力指数を独自の方法で算出した出馬表「アルファベース」。
アナログとデジタルの融合を可能にした木下健のタイム系予想理論。

”木下はなぜ、「場外」で馬券を買ったのか?” 

※当記事には、画像はありません。文章だけ掲載いたしますが、ご了承ください。

私もボチボチ歳かもしれん…

 競馬最強の法則に初めて登場したのは1999年の1月号でした。早いもんでもう9年。今年でいよいよ40歳ですわ。そら、ヒゲも鼻毛も白なるはずやし、目も見えにくくなってきました。○▲×も芯が入らんようになって、中折れ終了~♪が多くなりましたわ……。同年代の皆さん同じようなもんとちゃいますのん?(^◇^)ギャハハ 

 9年という歳月は長いようでけっこう短いモンです。本誌初取材のとき、一緒に紹介された長女(2才)も4年生になりました(^^;。ほんま、ついこの前のような気がしますけど、あの頃と今とではいろんな部分が確実に変化してます。

 最近とくに感じるのが、体力の低下。頭の方もかなり老化が進んでますわ(~~;。前から馬の名前は覚えられん方でしたけど、今は聞いても右から左へと忘れてしまいますねん。例えばアドマイヤムーンとアドマイヤメイン。冠名が同じやと、なんぼ強よーてもついついゴチャゴチャになります……。だから、

「よっしゃ、こいつは出てきたら絶対狙うぞ!」

って思っていても、

「あれ? こいつって、なんで狙おと思ったんやったっけ・・・どんなレースやったっけ・・・」

なんてことが、呆れ返るほど増えました。そんな折り、担当さんの方から、

「最近の収支はどうですか? 最近ちょっと複雑な内容が続いたので、久々に、日々の馬券生活披露はどうですか? 予想もそうだけど、いかに『買い方』が重要かを身をもって示す、みたいな」

次号打ち合わせの連絡を貰ったのが1月の15日。締め切りが23日朝イチ。10年近こうやってりゃ、打ち合わせから締め切りまで大体こんなもん。もし実践するなら、今週の土日しかありません。でも土曜日はほとんど競馬してられんはずなんで、実質一日しかあれへんやん(@@;マジカヨ・・・

ただ、私としても今の「馬券生活」ってもんについて、前々から考えてることがあったんで「自分を試す」「自分に挑戦」という意味でも、やってみることにしました。

 どうせ原稿に書くなら、「PATの投票ログ画面やなくて、実際の馬券の方が説得力があるやろ」と思たんで、「場外」に行くことにしました。私は普段は完全に自宅でグリーンチャンネルと&PATスタイル。だから「ウインズ」と呼ばれるようになってからは、数回しか場外に足を運んだことがない私は、いまだに「場外」って呼んでしまいます(^^;。

話は飛びますけど、これまでは「にこちゃん指数」として売り出しておった私のオリジナル出馬表が、最近、装い新たに「アルファベース」とリニューアルしましてですね、おかげ様でそこそこ好評を得てたりします(^^;。そんなんの関係でサイトの方が非常に忙しく、深夜に起きて「ワンポイントチェック」なる予想の真似事を書いたり、いろんなサポートをしてるんで、それが終わってからしか自分の時間が取れません。下手すりゃ翌日の昼を回ってしまうことも度々で、買いたいと思ったレースも気がつきゃ走り終わってたなんてこともしょっちゅうです……。

 そんなこんなで、この日も家を出られたのが、小倉3Rが終わった頃でした。

途中、銀行に寄って20万円下ろしました。普段の軍資金は「1日3万円まで」と決めてやってますけど、今日は自分にも、「あるケジメ」を付けたろうと思ったんで、20万持って行くことにしました。

めったに行かない「場外」で買ってみました(^^;

●小倉5R

 (以下、すべて1月21日の話です)

まずは小手調べ。まったく買う予定もなかった小倉5R。

私の基本である「複勝コロガシ」(以下複コロ)できるような堅い馬が見当たらんのでケンする予定でしたけど、最初やし、「まぁええか」って気楽な気持ちで購入することに。

「アルファベース」で出力した出馬表が示すA馬とB馬から、⑦⑭⑮の3頭へ3連複で2000円すつ均等流し。(画1)も、人気の③⑥が6・7着とまったくええところなしで、3連複は11万馬券(^^;。「まぁまぁ最初はこんなもんやし荒れてもおかしないレースやとおもっとったしな」なんていい訳をつぶやきながら・・・。

●小倉6R

 ここには複勝間違いなしのシルクゲイナーが出てます。ただし単勝1.5倍のダントツ人気(確定の複勝1.1~1.2倍)で、複勝なんて買えるはずもありません。しかも鞍上の田中克君は昨年8勝しかしておらず、シルクの2着続きも鞍上のせいでほぼ間違いないと思います(^^;。

 ならば馬単2着固定で狙うかと思いましたが、慣れん場外で、馬単2着固定のオッズなんか、どこをどう見ればええんかわかりませんがな(~~;。2着固定の総流しにしようと思ったんですが、ダントツ人気の馬だけにトリガミになりそうやし……。そんな時、⑭グランディバロース(4番人気)頭からの馬単オッズが目に飛び込んできました。複勝も2.0倍あります。

「おおっ、これやったら一緒に複勝も買っておけば、最悪3着でも元返しはあるがなっ(-☆)キラリ」

狙いすぎやと思いましたけど、時間もなかったんで購入することに。(画2)

 ⑭後方から伸びてきましたが内を突き、直線詰まって4着。詰まってなくても2着が精一杯やったと思います……。ちなみにシルクはやはり2着で馬単7840円。総流しにしててよかったかも(~~;。

「確実に儲けて結果残さなあかんのに、こんなもん買おてる場合ちゃうがなっ。ほんま何しとんやろ・・・(~~;。」

ハズし方がハズし方なだけに、自分に対して嫌悪感が残りました。

●中山8R

ちょっと頭を冷やして中山8R。 複コロなら確実と思って狙ってたのは⑩フュノンガルウ。オッズを確認してみると単勝8倍超の4番人気。複勝も2倍以上ついてるし、マジっすか!の大絶叫。

「1番人気の⑯トーコジーンは間違いなくブッ飛ぶ!これやったら一発で大逆転出来る( ̄∇+ ̄)vキラーン」

 と思うと複コロするんがもったいなく思い始めて、単勝とワイドを購入。(画3)

 好位の2・3番手と読んだんですが、久々ダートがあかんのか、スピードに着いて行けず中段後方を追走。直線際内を鋭く伸びて2着確保も後ろ過ぎました(~~;。

「おいおい待てよぉ~、複勝300円もついとんぞ・・・。複勝買えば4着。単勝買えば2着。どうも悪いほうへ悪いほうへ流れとんぞ・・・ぉ」

●京都8R

こんだけコソばい外し方したら、ちょっと冷静ではおれんようになって、続けざま、京都8Rも買うことに。

「このレースは速くならん。1番人気のフェラーリセブンはかなり速まって勝てる程度の能力しかないのに、過剰人気すぎ。ここはLOタイプで指数BXの⑦オナーチェイサーで勝てるはず(-☆)キラリ」

 ただ、さっきも狙いを変更してえらい目にあってますんで、ここは馬連で確実に儲けることに。(画4)。

 1年以上の長期休み明けの⑥ダブルティンパニーがハナ切って直線交わしたオナーが先頭。その後ろには②④⑨で完全に出来た!と思てると、なんとダブルが最後まで渋太く粘って2着確保。

 「単勝買うわ!w(☆o◎)wガーン」

●小倉9R

何を買っても裏目に裏目に決まります……。ここまでの負けはちょうど5万円。ただし次の小倉9Rは、「ドカンラップ理論」で研究しつくした小倉芝1200m。開幕週にピッタリの自信の1頭がいました。

⑭ゼットフラッシュで頭は堅いと思いますけど、中山&京都の9Rには私の中の「買いたい虫」を非常にくすぐる馬がいてました。配当が美味しいんで、資金の大半はそっちへ回しすことにして、ここは小額で高額配当を狙うことに。

というわけで滅多に買うことの無い3連単の⑭ゼット軸で馬券を購入(画5)思いのほか金額が少なくなったのは、何点になるんか想像がつかんかったので、とりあえず1点500円に抑えときました。普段はパソコンで資金配分しながら買ってますが、場外やとそれができずに均等買いにするしかないのがつらいっすね。

 2番手を進んだゼットが直線入り口で後続を突き放しました。そこへ⑥ベイリーフ、⑪アイオブザキング以下が詰め寄ってきます。これは何がどう転んでも間違いなくゲットです。⑭⑥⑪の順でも70倍オーバーなんでまぁええでしょ。と思ってたら①ナンゴクライデンってなんや!Σ(‘◇’*)エェッ。

「16万馬券ってか(゜o゜;; 3頭目、総流ししとけ……。ってか、単勝370円もついとんがなっ。なんで単勝止めとたん2連発勝ちよんねん・・・ほんま堪忍したってや(~_~;)」

●中山9R、京都9R

でも大丈夫!中山&京都9Rでぜ~んぶ元に戻したるから、なぁ~んも凹んでませ~ん(^0^)。

 中山9Rの⑬マイネルビジューは単勝16倍超で複勝3倍以上。京都9Rのアシュレイリバーは単勝10倍超で複勝2倍以上。もう余計なモンは買いませんよ! 単複勝負です!( ̄‥ ̄)=3 フン(画6・7)

(オラは死んじまっただぁ~♪ オラは死んじまっただぁ~♪)

 マイネルは前走でかなり厳しいレースを経験したんで、それを生かして先行押し切りかと思いきや、なんと最後方をダラダラ追走のまま……。アシュレイは初ダートに不安はありましたが、これまた前走の優秀な内容はダートでも簡単にこなすと読んだものの、3角過ぎから真っ先に着いていけず……。

 2頭続けて見どころもなく惨敗。これにはほんま凹みました・・・(x_x;)シュン。

●小倉10R

ここまでトータル16万2千円のマイナス。一発ドカンと当てやんと、逆転は不可能な金額になってます。

 しかしまぁ、なんですなぁ~。「“競馬は予想もそうだけど、買い方も大事”というのを実践で示して下さい」とオーダーされてるのに、なんて恥ずかしい買い方してるんやろ。強気に出ても弱気になってもどうやっても裏目に出ます。根本的に、いつもやったら絶対に買わんような買い方ばっかりしてるからでしょうか……?

 レースが終わる度に

「俺ってこんなにセンスなかったっけ・・・」

って思いばかりが頭をよぎりました。 こないなったら買えるだけ買って玉砕したろと思います。

小倉10Rは、幸いにも絶対的な自信がある小倉芝1200mでした。

 ⑧ライトグランデュアは複コロなら100%間違いないと思える馬でした。単勝は2倍そこそこで、複勝1.3倍~。

残金は3万8000円。単勝は厳しいと思ったのと、残りレース数と複勝オッズを考えた場合、逆転はほぼ無理な状況でした。

というわけで実力はあるけど人気薄の馬……、で目に付いたのが単勝35倍超の②リリーハーバー。ただし小倉の特性をよく知っている私は、普通ならこの馬が勝つ確率は10%もないは理解しています

でも競馬って、「まさか!?」ってのがありますよね? 冷静さを欠いた私は、ついにその「まさか!?」を夢見て、リリーの馬券を買ってました(^^;(画8)

 結局リリーは見るも無残な9着。一方ライトは2着。おまけに出馬表のB‐AZ‐Bと指数上位3頭の組み合わせで3連単7230円……(-_-;)。

●京都10R

②ミツワスカイハイは前走8着で全く人気はありませんけど、「アルファベース出馬表」の補正指数ではAランク。今回は絶好の狙い目と思って昨晩からチェックしてありました。

 残り少ないゼニで一気に取り戻すには、無理を承知でミツワ頭の3連単!上等じゃ~かかってこい!!(画9)

 ミツワが後方から追い込むも3着一杯。結果知ってて買おたんちゃうかって思うほどの裏目……。3連複やったら間違いなかったのに……、今さらやけど複勝360円もついてるしぃ・・・(-_-;)。

●中山11R

アカン、もう考えるのもつらくなってきた(~~;。まともな予想じゃ取り返すの無理しや、人気薄のAとCから買おたれ!(画10) いったい何レース連続で外してんねん?

●小倉12R

⑤マルイチクエストって常にハイペースで逃げる馬や(-☆)キラリ。今の小倉やったら58秒台は間違いなしやさかいに、狙いは差し馬やろ? ならば人気薄のモリノミヤコでも狙いは立つはず。せやけどもう3連単やら3連複やら買っても外すだけやし馬連にしとくわ。(画11)

 モリノミヤコが後方から追い込んで2着確保。やっと当たったけども、もはや嬉しさよりも脱力感で一杯でした。

 自分でいうのもなんですが、どのレースも、「予想」の段階まではOK。このレースも相手に選んだ⑥⑫⑮がキッチリ1・3・4着やねんしねぇ……。

 まずいのは「買い方」! 組み合わせなんよなぁ……・。あでも、今回の企画はこれがテーマとちゃうかったっけ?ってことは一番最悪な実践例ってことやな(^^;アセアセ。

 でもここで力つきましたわ……。残り2レース、適当に穴馬券買って帰ろ。(画12・13)

 長い長い一日でした。ずっと立ちっぱなしやったんでヘルニアが出てきて腰が痛いのなんのって(x_x;)。

 今がちょうど潮時かもしれません(~_~;)

2002年に「競馬で妻子を養う男の馬券術」という、どえらい大そうな題名の単行本を書かせてもらいました(^^;。その巻末でこんなことを書いてます。

《嫁さんほどノー天気でない私には、今のままの生活でええんか?という不安が常に付きまとってます(^^;。電気工事屋を辞めた時と同じように、明日、急にこの生活にピリオドを打つかもしれません。その日がいつやってくるかわかりませんけど、確実にやってはきます。~~中略~~ 確実にやってくるその日を心待ちにしながら(^^)。)

 ここからは、いきなりの爆弾発言なんかもしれません。

冒頭の話の続きになりますが、実のところ、「馬券生活者」は30代限りで辞めにしようと心に決めてます。

 長女もさすがに4年生ともなると、

「自分とこの父ちゃんは、よその父ちゃんのしてる仕事とはちょっとちゃうよな……」

って感じてるみたいです。別にこの仕事が恥ずかしいとか、人にはいえんモンとは思ってません。そやけど、子供が大きくなって、

「お父さんってどんなお仕事してんの?」

って、先生やら友達やらに聞かれたときに、説明しやすい仕事しといてやりたいって思いがあるって、以前に本誌でも書きましたよね。自分の体力とか、老化具合とか、子供のこととか考えると、「今がちょうど潮時やな」って思います。

 そういった意味で今回20万持って場外に行って、「自分を試す」「自分に挑戦」をしてみて、これでアカンかったら、「馬券生活者・木下健」に自分で引導を渡したろうと思ったんですわ。

おそらく編集部のほうでも、「馬券生活者」「馬券で妻子を養う男」で売ってきたのに、「元・馬券生活者」「元・馬券で妻子を養う男」じゃ読者的なウケも弱いって判断になると思います。だからこの先も、ここで書き続けているかどうかはわかりませんわ。個人的には、連載10年の区切りは達成したいなぁと思ってましたけど、一方でどこやらのプロ野球選手みたいに、使いモンにならんのにまだまだやれるフリして石にすがりつくのも何かと思ってますしね(^^;。

といいましても、私自身のサイト運営や「アルファベース出馬表」の配信なんかはこれまで通り行っていくんで、今後も何らかの形で競馬に関わる仕事をしていくことになると思います。それに、たとえ連載自体は終わっても、「ゼニ馬」とか「ドカンラップ理論」とかの季節モン企画で、ときどき出られたら嬉しいなぁ~なんて、甘い考えも持ってたりします(^^;アハハハ。

今回の大敗を真正面から受け止め、「馬券生活者」としてはいろんな意味でここらが引き際やなと思いますし、心待ちにしてた日が、確実にやってきたなって実感を得てるのがこの頃の私です。

ま、先のことはどないなるかわかりませんが、愛読していただいた皆さんには隠す事なくご報告しておきたいと思いますm(_ _)m。


※当記事には、画像はありません。文章だけ掲載いたしますが、ご了承ください。

テキストのコピーはできません。
PAGE TOP